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仙腸関節の正常な動きとは(骨盤の話3)

そもそも骨盤て動かないじゃん

医学的に認められて無いじゃん

 

と言うのが一般的な意見だと思いますができる範囲で簡単に仙腸関節の動きの重要性を説明できればと思います。

仙腸関節を計測する、といっても検体では動きは観察できず、生体では深部にあって動きも小さく、さらに個人差も大きいのでなかなかデータとしての数がまとめられないのが問題になります。

 

そのせいで「半関節」などと言う意味のわからない分類になっていますが、医学会での臨床の所見報告の際も腰痛や股関節症、ヘルニアの話の中でほとんどの医者が「仙腸関節にも、、」と触れておくなど、医学的に曖昧でも無視できない存在になっています。


最近ではCGなどを使ったシミュレーションなどによりほぼ確実な動きが再現されています。

その動きですが、図では表せないので動画を探してきました。

(と思ったら消えていたので代わりのものを貼っておきます。しっかりした物が見つかれば変えておきます汗)

https://www.gettyimages.co.jp/detail/動画/woman-walking-x-ray-body-skeleton-loop-rear-view-for-medicinal-ストック動画/1172246537?uiloc=thumbnail_same_series_adp

動画は有料なのでURLです(すいません!)

この動画では拡大してスローで見てみると仙骨が左右に振れながら脊椎と一緒に縦軸で回転しているのが分かります。

これが骨盤、仙腸関節の動きです。その為の動画では無いので動きはわずかですが、その分リアルな動きかと思います。

歩行時には左右の寛骨が持ち上がったりぶら下がったりしています。
その時に仙骨が『左右に揺れながら縦軸の回転をする』事で、腰椎を根元から左右に振り変える。
下半身が左右に揺れても、腰椎の前弯によって上半身の重心移動ができるので、力を使わずに安定します。

歩行時の腰椎部分には150Kgを超える重さが載っているため、柱自体がフニャフニャと稼働していると椎間板などの柔らかい組織からすぐに壊れてしまいます。

この仙骨の縦軸の回転が腰椎の構造を変化させずに動きを支える、とても合理的な造りなのです。


図を少し説明すると、歩行の時に腰椎が左右に反っている(側屈)のはわずかで、仙腸関節が微妙に動く事で脊椎全体を根元から左右に振ります。そのおかげで椎体はほとんど動かずに上半身を支えています。(絵はカパンジーから拝借しました)分かりにくくてすいません笑

この構造のおかげで「最小限のエネルギー、筋力」で上半身を安定させています。仙腸関節が下半身の動きを吸収し、上半身を安定させる、いわば免震構造です。

逆にこれが仙腸関節が動かないとすると仙骨底部が左右に大きる揺れるため、腰椎が横突起(肋骨突起)側へ毎回過度に反らされるため、椎間板などに相当無理な力が加わります。(下の図)
そして周辺の筋肉を強く必要とする、不自然な力を使う歩行になります。

 

歩行時に無駄な筋力を使うようではとても走る事はできません。

下の図のように腰椎の側弯に頼る動きは歩くのに無駄なエネルギーを使う上に、腰痛や、その他の損傷のリスクを大きく上げることになります。

仙腸関節が固まって動かなくなっている人は腰椎に無理をさせているので腰痛やヘルニアになりやすく、普段から無理しているので力も弱くなります。


図の左側の絵は腰椎が横に反ってしまうのを支えるために脇腹、臀部の力を異常に必要としてするのはなんとなくイメージできますよね。(多少大袈裟な絵ですが)

 

まとめ

長くなりましたが、仙腸関節が動くのが当たり前で、硬く止まってしまうとその分の負担は周りの組織が支えることになり結果トラブルを起こしやすくなります。


筋肉を鍛えることで解決すると表面上は上手く治りますが力学的に成立してないのでいずれ抑え込めなくなります。


それはちょっと無理をした時かもしれないし、年齢で筋肉の質が保てなくなった時かもしれません。


トラブルを遠ざけ、より効率の良い体にするには正常な関節の動きが欠かせないのです。

 

次回は治療法について書いてみようと思います。