治療レポート 月刊誌原稿 鎌倉支部 大久保 龍 2019/11/30
「妊婦さんこそ通ってほしいという言葉を、身をもって実感しました」
いしわたなつみさんは、自然良能会鎌倉支部に逗子市から通って来られます。現在38歳、細身のスラッとした現代的なお嬢さんです。男性にも、女性からも羨ましがられるタイプでしょう。
なつみさんより一足先にご主人が治療にみえていて、これはうちのなつみにも受けさせよう、と云う事で連れてみえたのだと思います。
女性にとって、一生を通して最も高いハードルと言える出産。
本来は何億年と繰り返されて来た営みですから、余裕のある方には何事もなく超えて行ける事なのだと思います。
その点、現代的なスラッと細身の女性には、困難な事件となってしまう事が多い様です。
なつみさんの場合も1月に初めての出産をして辛いダメージを受け、3月に治療にみえました。その間2ヶ月ですから、まだ早目に手が打てたと言って良いと思います。
なつみさんが治療にみえた初診の主訴には、
◯一月に出産をし骨盤が開いてしまった。
○お尻の骨が飛び出してしまったのか、最近まで座るのが痛かった。
○肩こり。とあります。
見るからに出産のダメージと、その後の初めての乳児の世話で身も心も追い詰められてる様子でした。
女として、母としての自分の力量を問われる日々と、自分の体が辛い事の板挟みになり、より良きを目指す人ほど、思い通りに進まぬ現実が辛くのし掛かっていたと思います。
それから治療を続けて、年に2~3回という年も有りましたが、4年後、2人目が妊娠してから月2回位のペースで治療を続け、出産当日の治療を最後に、治療をした日の夜出産。
数日後ニコニコと心の底から溢れ出る様な笑顔で治療にみえて、出産の様子を伝えてくれました。
この喜びを世の多くの人にも知って欲しいと、文章にまとめて下さいました。
以下、なつみさんの文章です。
2019年8月25日12時17分、次女を自然分娩で出産。前日まで自然良能会鎌倉支部「虹治療院」に通い、その日の夜に陣痛が来ました。
予定日を5日越え、翌日には促進剤を使用しての計画入院が決まっていたので、陣痛が来たのはとても嬉しく、信じられないような気持ちでした。
なぜなら、長女の時は破水をしながらも、その後2日間陣痛が来なく、最終的には促進剤を使用し、人工的に陣痛を起こしての出産となったからです。あまりの痛みと寝不足で体力を消耗してしまい、最後は鉗子分娩という医師が引っ張り出しての出産でした。なので、自分で産んだという感覚はなく、素晴らしい体験のはずが苦い思い出となってしまいました…。
医師からは、今回も体質的に陣痛が来なそうだねと言われ、半ば諦めていた状態でしたので、より嬉しかったです。
一人目は、出産後すぐに始まる赤ちゃんのお世話に、緊張や疲労感が抜けないままスタートし、赤ちゃんはずっとぐずりっぱなし。心身共に疲れ切った状態でした。そんな私の様子を見かねた主人が、こちらに通っていた事もあり、私も産後から「虹治療院」にお世話になる事になりました。
一般的なマッサージや整体は、産後通うものという認識でしたが、先生からは、妊娠中こそ通ってほしい、というお話でした。
そして今回妊娠が判り、先生に相談させていただいたところ、いつでも来てくださいとの事でしたので、悪阻が落ち着いてから伺いました。それから定期的に通い、おかげさまで出産も力む事なく、赤ちゃんが降りてくるのを感じながら、陣痛を迎え入れる事ができました。
産後も前回とは違い、とても穏やかに過ごせています。赤ちゃんもよく寝てよく飲み、穏やかです。長女の時との違いに、妊婦さんこそ通ってほしいという言葉を、身をもって実感しました。産後、虹治療院にお伺いして出産の話をしたとき、一緒に喜んでくださり嬉しかったです。本当にありがとうございました。
なつみさんの文中にも有りますが、予定日を5日過ぎ、産院の先生は月末になると忙しいので、来週中に促進剤で出産しましょう、と言われ、え~~!っと思いながらも言われる通りにするしか無いか、、、と諦めて一応承諾したそうです。
治療に見えた時に、2日後に促進剤での出産が決まったと、とてもガッカリした表情でした。
ならばこの治療で出産が早まる様にと多少手を加えて治療をすると、なんとなんと!狙い通りにその日の夜陣痛が来て無事自然出産!と云う事で、私もなおさら嬉しかったです。
前回の出産では、破水しても陣痛が来ず、薬の力で何とか出産はしたものの、女性としての自信がすっかり崩れてしまった、と云う様な事を言ってらしたのが印象的でした。
初産の時は、入院して3日間、陣痛促進剤を打ってから7時間。この時身体に受けたダメージは多大。と同時に心に受けたダメージも多大であったに違いありません。
「素晴らしい体験のはずが苦い思い出となった」と文中にも有ります。
その後の子育てはそれ以上に大変。ご主人は、私も知っていますが、とっても子煩悩に赤ちゃんの世話をしてくれる方です。でも、そのとても有り難い事すらも、自分には出来ない、と云う引目として感じられてしまう程、自信を失ってしまっていたと思います。
今回の出産後、報告を兼ねて治療にみえたなつみさんから溢れる笑顔からは、女性としての自信を取り戻した、実に晴々とした表情がうかがわれました。
人間の進化の過程に起きた大事件「二足歩行」と云う事が、あらゆる点で現在の人類の存在を決定付けています。
人類の最大特徴の、脳の発達、手指の発達なども言われていますが、骨格的にはむしろダメージが強く、最大のダメージは「仙腸関節」の歪みです。
本来は四足歩行の為に発達して来た骨格ですが、二足歩行する事で仙腸関節に掛かる負荷の方向が90度変わってしまうのです。
骨盤が歪むと云う現象は二足歩行をする人類、全ての人の宿命なのです。
骨盤に限らず胴体部分が立ち上がった訳ですから、全ての内臓も影響を受けます。
元々の四つ足の状態ですと、柱ではなく梁の様に水平になっている背骨から、全ての内臓がぶら下がった状態が本来の構造です。
全ての臓器が構造的に骨盤・背骨からぶら下がる、或いは支えられ、脊椎から神経をもらい、背骨脇を通る大動脈大静脈から血液を循環している構造です。
子宮も他の臓器と同じで、骨盤・背骨からぶら下がった状態が本来の構造です。
子宮は、立ち上がると縦方向に骨盤に押し込まれる状態になるので、胎児を含めた子宮を養う血管や神経を交えた支持器官が圧迫されます。同時に胎児にとっては逆立ちの状態で、頭部が下になります。
四つ足の状態ですと骨盤から前方向にぶら下がった形になるので、血管や神経を交えた支持組織にも余裕が出来、その状態で動く事で支持組織のマッサージ効果も生まれます。
面白い事に、胎児にとっては頭部が高い位置に来ます。この事が何にどれだけ影響しているかは判りませんが、逆子と云う状態にも何がしかの影響が有るかもしれません。
妊婦さんには四つ足歩きや四つん這いの腰回し、腰振り体操を勧めています。
鼠径の圧迫やお腹の張りが取れたり、ツワリが治ったりと良い変化が観られます。
昔から拭き掃除をすると良いとか、便所の掃除をすると良い子が産まれると言われていたのはこの事かも知れません。
元々骨盤が子宮などをスッポリ抱える形で、神経が仙骨から行き、支持組織を含め、血液の供給代謝など、子宮の環境全て「骨盤」の強い影響下に有ります。
特に出産時には骨盤に大きな変化が求められるので、歪みが強い程、変化に対応が出来なくなり難産と立ってしまいます。
妊婦さんが「骨盤調整」を受けると大変経過が良いと云うのも解剖学的にうなずけると思います。
しかしそれ以上の驚きは実際に起きる治療効果の絶大さです。
骨盤調整を40年も50年も続けて来られた全国の「自然良能会」の支部の先生方。
長い治療実績の歴史の中で、骨盤調整を受けて出産した方は既に数えきれぬ程いらっしゃいます。
「自然良能会」全国の支部の殆どの先生方から、異口同音に報告される出産時の治療効果は想像を超えた事件と言える程、衝撃的なものばかりです。
安産だった、自然だった、一人目の時と全然違った、と云う感想と共に「産まれて来た赤ちゃんがとても育て易い」と云う言葉が必ずと言って良いほど付いてきます。
「育て易い赤ちゃん」これはどう云う事でしょう。
私が思うのは肉体的、精神的に「余裕がある」と云う事では無いかと思います。
大人も同じですが、体調が悪いと不快です。本人が意識してなくても体は不健康な状態ですから、体の中から不満が込み上げて来ます。当然ですが凡ゆる場面で「イヤ!」が増えます。
赤ちゃんのうちから不快な状態を抱えて生きて行くと云う事になれば・・・。
人生のスタート時点で体力的にも精神的にも余裕が有ると言う事が、これから始まる長い人生の方向性をどれ程左右して行くものか、それは想像も出来ぬ程大きなものだと思います。
なつみさんの文中にある様に「産後も前回とは違い、とても穏やかに過ごせています。赤ちゃんもよく寝てよく飲み、穏やかです。」
今回のなつみさんに限らず、今まで沢山のお母さんから異口同音に聴いた言葉です。
骨盤の手入れは、妊婦体操や四つん這い体操、妊婦整体、バラコンバンドの妊婦巻きなども有ります。ある所まではそれで解消出来ますが、一番本質の「仙腸関節」の問題は「骨盤調整」の治療師による治療が入らないと解決出来ません。
大袈裟の様ですが「世界平和の出発点は妊婦さんの骨盤調整から!」
この素晴らしい「骨盤調整法」を是非多くの方に活用して頂きたいと真に望みます。
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